成果物を変えるには、ワークフローを変える。waveの場合
いつのまにか、ツールに合わせたワークフローっていうのが構築されている時がある。SVNからMercurialに変更しました!といった場合や、メールの添付が5MBから100MBに変わった場合などそれまでやっていた方法とは違うワークフローが“自然と”生まれていたりする。
“自然に”というのが重要。説明難しいが新しいワークフローが自然発生すると言うのは、新ツールの効用や性能の向上や変化が、現ツールから想像の範囲内であるという事だと思う。そう新ツールで、かつそれを利用するチーム全員の理解が同じレベルにあるとあっという間に染み込むように新ワークフローが定着する。逆に自然じゃないのは、PCの使い方すらおぼつかない人々にそれまでの帳簿からERPに移行した場合などは、全く染みない逆に返り討ちに合う危険すらある。ショックを和らげるために帳簿的なインターフェースだったりワークフローを真似るのはそれを利用する人たちの想像の範囲内に収めるためだ。データフロー的に正しい事が、最良とは限らない。
waveの場合
waveのAPIエキスパートをやらせてもらっていて、いろんな人にwaveの事を聞かれる。初めの頃は、waveの技術的説明だったり、生い立ちを説明していたがそれでは説明になっていないことに気がついた。waveは、現在使える様々なツールをお手本に本来やるべき目的に最短距離で到達出来るようにスクラッチされたツールである。(稟議書は、みんなの承認を得るのが目的であっていかに回覧しやすいかを目的としていない)Google曰く、「今の技術でメールを再構築したとしたら」といったような説明をしたので、コミュニケーションが目的のツールと捉えられがちだがコミュニケーションの目的は?メールでやることの目的は?と考えていくとwaveのひとつの側面がより明確に見えてくる。
CBD(コミュニケーションベースドリブン)からDBD(ドキュメントベースドリブン)へ
すべてのコミュニケーションがディシジョンメイクやドキュメント作成とは限らないが、そういうメールが多々あることもまた事実。この2点に関しては、waveはメールやIMよりも圧倒的低コストで目的を達成できると感じている。(ドキュメントといっても多種あるが、Docsの文書で作成出来るレベル)
例えば、
- 意思決定に関して
- 次回の会議の日程設定、議題の管理
- 飲み会の日程設定
- ドキュメント作成に関しては
- 議事録の作成
- 作成や知人や家族で行く旅のしおり作成
上記ケースだと、今までの経験ではwaveはぴったりくる。共通のキーワードは複数人で複数回のやりとりが必要で、成果物はシンプルなリストに展開出来るもの。この条件を満たすケースがあれば、他にもまだまだwaveの活躍シーンはあるとおもう。
スムーズに利用するには
時系列に囚われない:頭の切り替えポイント1
wave上のドキュメントは、上から下向きに時系列に並んでいるわけではない。(メールやチャットは基本的に、降順か昇順に時間軸が存在している)適宜必要なところの必要な情報をどんどん書き換えて行く。メールは引用して後世の人々にわかるようにしていくがwaveは、今を重んじてどんどん書き換えて行く(昔のを見たければPlayBackすればいい)
モデレータと参加者を明確にする:頭の切り替えポイント2
とはいえ、だれでも何でも書き込み始めるとそのwaveがPDCA的に書かれていたのか、ブレスト的に書かれていたのかフレームワークが一意に決まらずカオスなパネルになってしまう。メールでは一方的に言いたいことを言い合える(ひとりの書き込みを他人が同時に編集出来ない)がwaveではそれが出来ないので、役割分担を明確にしておく。具体的には、モデレータでその人はタイトルやwave全体の構成をまとめる。参加者はそれにしたがってアイデアや意見、情報を書き込んで行く
その他ケースに対応
あるwave内で、フレームワークに準拠出来ないやりとりを行いたいときは連絡用のBlipを作成しておくか、モデレーターに対してプライベートBlipを作成しメッセージを送ることで解決する。ドキュメント作成において、明確な目的と十分な情報があれば雑談や挨拶などは一切省いて事態を進行させることが出来る。それらの条件が明確でない場合は、別途何がしかの手段(別wave、IM、電話)等でやり取りをするのが今のところ最適だと感じる。
道具にあわせて行動変えてみる
なんで人間様が行動を変えなくちゃいけないだ!って思う方もいるかも知れない。でもそれは、紙の帳簿からERPに乗り換えられない人と同じで、そもそもの目的達成を考えると容易に乗り越えられる障壁に過ぎない。waveは、もうすぐ誕生して1年を迎えるが未だに未知なツールどまりだが利用ケースを絞ってドキュメント作成や意思決定のシチュエーションで利用するよう行動を変えてみると、手放せない素晴らしいツールになる。ちょっと触った挙動で、BBS的に使ってみたりチャットしたりするのもありかも知れない。しかし、そもそもそれらのツールの目的とwaveの目的は同一なものなのか?もし、違うとすればどのような目的なのか?利用者の数だけ目的が存在するはず。ご自分の目的をよく吟味しそれをwaveに当てはめるようにワークフローを修正してみて欲しい。
ワークフロー修正だけでは、アタッチ出来ない場合
幸いなことにwaveには、各種APIが提供されている。かなり複雑なことも出来るようになっているのでそれらを利用してみるのもありかも知れない。
告知になりますが、4/17にwave Hackathonを開催します。APIを利用したロボットの作成や、チュートリアルをやってみたい方は是非ご参加ください。waveに詳しい方も参加されますのでついでに話たりするのもありかと思います。申し込みフォームはこちら( http://spreadsheets.google.com/viewform?hl=en&formkey=dEZqRE1WX3k2TjlYbS1Ybkg0RUJYb2c6MA )